
突然の土砂降りに見舞われた土曜日の午後、僕は久しぶりに姉の家を訪れました。
リビングのドアを開けると漂う食欲をそそる香り。
「ちょうど角煮ができたんやよー」
姉は冷蔵庫横のキャスターの上にどーんと置いてあるヘルシオホットクックから角煮を取り出していました。
使ったことはないけど、テレビで見たことあるやつ!
ヘルシオホットクックっていうのは、材料を釜に突っ込んで置くだけで料理ができちゃうマシンですよね。
炊飯器みたいに内部が加熱されることで調理をするわけです。

フタの内部に混ぜハンドがついているのがヘルシオホットクックの特徴で、自動でぐるぐるとかき混ぜてくれるらしい。
試しに僕の家にも導入してみようか...とその場で調べてみると、これが想像以上に高いんです。
なんと、6万円!この炊飯器みたいなやつが6万円!!
高級調理家電。お試しで導入してみようっていうレベルじゃないや。
あーだこーだ一人で文句を言いながら検索している僕の様子を見て、
「じゃあうちのホットクックを貸してあげるから試しに使ってみやー」
という姉の優しい一言。
えっ、いいの?そんなのありなの!?
何でも試してみたい、新しい物好きの僕。
その日に姉宅から持ち帰ることにしました。

それから1週間は、毎日ホットクックざんまい。

できるだけ毎食使ってみたので、リアルな使い勝手が分かりました。
こんな料理を作ってみた

スライサーで切ったごぼう、人参とさつまいもを入れてスタート。

加熱が終わったら、マヨネーズなどを加えて味付けします。

副菜ができあがりー!

フライパンでに焼き目を付けてからヘルシオホットクックに投入。
えっ、先にフライパン使うん?驚き。
正直言うと、ホットクックを使うよりそのままフライパンで照り焼きを作った方が早いという(笑)


こんにゃくと調味料を入れて放置するだけで、出来上がったこんにゃく煮物。
唐辛子がピリッとしてシンプルながら美味しい。


手羽中と大根と味ぽんを使った煮物です。
結構な量の味ぽんを入れたのでめちゃめちゃ酸っぱく仕上がりそうで不安だったけど、まさかの美味でした。程よい酸味で脂もすっきりと食べられます。
ホットクックを姉に返した後に、我が家の圧力鍋でもう一度作ったほどお気に入りになりました。

トマト缶とニンニクたまねぎバターと厚切りベーコンを入れてスイッチぽん。

トマトリゾットが出来上がりました!

チーズを掛けて、バーナーで炙ったらおしゃれに仕上がった。
米の歯ごたえが残っていて美味しいです。だけど、余った分を冷凍したら、解凍時に柔らかくなってちょっと微妙でした。
茄子の煮物、きんぴらごぼう、手羽元大根、トマトリゾットなどなど。
実際に使ってみて気がついた良かった点、イマイチな点を考えてみました。
調理中の意識をゼロにできるのがイイ

間違いなく、これが最大のメリットです。
「意識をゼロにできる」というのは、たとえば炊飯器に米をセットしてスタートボタンを押したら、炊きあがるまではその存在を気にしませんよね。そんな感じです。
- 準備をする
- スタートする
- 放置する
- できあがり!
火を使わないのでヘルシオホットクックのスイッチを押したら、頭は完全に他の作業に切り替えられます。
別の料理を作ってもいいし、リビングでテレビを見ていてもいい。コンビニまで外出したっていい。

こんなふうにダラーっと布団と同化していてもいい。
完全にホットクックへの意識をゼロにできるのがポイントです。
圧力鍋は似ているようで、結構違う
ホットクックじゃなくても、圧力鍋を使えば煮物は簡単にできます。
材料を入れて、火にかけて、圧力がかかったらタイマーをセットして弱火で放置。そしてタイマーが鳴ったら火を止める。あとは圧力が下がるまで放置する。
放置できるっていう点はヘルシオホットクックに似てる。
でも意識の面で結構違います。
圧力鍋だと頭の片隅に圧力鍋の存在を残しておかなきゃいけないんですよね。火を使っているのでキッチンから離れられない。
ホットクックよりも安価な電気圧力鍋というジャンルもあります。
ある程度料理ができて、週1くらいで煮込み料理を作りたいなら、電気圧力鍋も検討してもいいかも。
自動混ぜ機能は無いけど、スタートして外出できるメリットは強いですね。
あと、ヘルシオホットクックよりデザインが良いという。笑
スマホ連携のおかげで使用頻度が上がる

ヘルシオホットクックはネットワーク越しにスマホと連携することができます。
ヘルシオホットクックの中に最初からメニューが入っているけど、ヘルシオのスマホアプリを使えばメニューを増やすことができます。
しかも数百のレシピを外出先からでも確認できるので、スーパーの魚売り場にいるときに「特売のブリを使って何作ろう?」とスマホで調べれば、ヘルシオホットクックのメニューに行きつけるのです。
これこそIoT家電のメリットですねー!
スーパー内でメニューを決められることで、「今日も使ってやろう」と気軽に使うことができました。
でも僕の姉はスマホ連携をせずに、本体に内蔵されているメニューだけで使っているとのこと。
「Wi-Fi?そんな機能あるの?」って言っていたので、機能の存在自体を把握できていなかったみたいです。ホットクックのメリットを活かしきれていないですね。
ヘルシオのアプリが微妙。ストレスを感じる
シャープ公式アプリであるCOCORO HOMEアプリ。
これでヘルシオホットクックのメニューが探せるので便利!
...なのですが、なかなかの完成度の低さでモヤモヤします。
- アプリ内でWebページを開いていて、読み込みが頻繁に発生する
- 公式アプリなのに画面下部に広告が入る
アプリなのに、肝心の調理メニュー画面はアプリ内ブラウザで表示。
しかも画面遷移はいちいちもっさり。
ログイン状態がキープされる時間が短いので、頻繁に「ログイン中です」の表示がでます。
あと「ポイントをゲットしよう」的な不要なダイアログが画面を覆うことがあります。
こいつが本当に鬱陶しいダイアログなのです。

そして広告。それもシャープの広告ではなくて、スマホゲームだとか、コミックサイトだとか、不動産だとか、普通の広告が出てくる。
えっ、公式アプリなのに?
シャープの公式アプリなのに?!
これから料理をしようと思っている人に対して、嫌な広告が出ることもあってアプリの満足度が下がります。これはみんな感じるようで、レビュー欄も低評価が多い。
でも、機能としてはちゃんと使えました。
細かいところで心地が悪いけど、使えないわけではありません。
シャープさんに改善する気があるかはわからないけど、今後のアプリ開発に期待ですね。高級調理家電のアプリなんだから頼むよー。
煮物と汁物は得意。炒めものは炒められてる?
ヘルシオホットクックは『THE 炒めもの』は苦手のようでした。
メニューの多くは煮物、汁物、蒸し物。
肉じゃが、きんぴら、カレー、スープ、八宝菜、さば味噌など、炊飯器でできそうな料理は得意。
回鍋肉はレンジでチンした感じに近い。
炒めものはフライパンで調理した時の美味しさとの差が大きく出ます。正直、僕としては微妙でした。

そうそう、かぼちゃのポタージュにもチャレンジしました。

「素材の食感が残る仕上がりです」とレシピに記載されていたかぼちゃポタージュ。
出来上がって飲んでみると...ザラザラ感がやばい。お粥が溶けたような不快な舌触り。
これがホットクックの仕上がりなんだからこのまま飲むぞ、とカップに注いでみたもののやっぱりダメでした。

結局ミキサーに移し直してなめらか化。
うん、これでやっとクリーミーなポタージュの美味しさが出たよ。
「この前作ったあれは微妙だったから今度はこれをやってみよう」という感じで、一度の失敗にめげずにチャレンジする姿勢を保つことが大切でした。
正直微妙な仕上がりのメニューもあったので...。
想像より本体が大きい

公式の情報として、サイズが記載されています。(KN-HW24Gは幅345mm×奥行305mm×高さ256mm)
でもいざ自宅のキッチンに置いてみると、やっぱり大きい。
5合炊き炊飯器よりひとまわりでかいです。
キッチンに置くスペースがあればいいけど、購入前にはちゃんと配置場所を考えておく必要がありそうでした。
「見えないところだと使わなくなるから、見えるけど邪魔じゃない場所に置きたい」っていう悩ましい問題。
狭いキッチンだとちょっと難しい。いっその事リビングに置いちゃうのもありかもしれません。
洗い物は意外とラクでした

使った後はこれらを洗う必要があります。
釜は見た目より軽い。我が家の5合炊飯器の釜よりだいぶ軽い。
なので手首に負担をかけることなく、シンクでざっと洗うことができました。
手際よく洗えば30秒で完了します。
内蓋は炊飯器の内蓋の大きい版という感じ。
15秒あれば洗えます。
汁受けは食材には触れないので、適当に水で流す程度。これは5秒洗い。
かき混ぜユニットだけちょっと面倒。部品を外して分解して洗います。
僕は食洗機に突っ込んでいました。
手洗いだと30秒くらいかな。
へにょへにょのスポンジじゃなくて、柄の付いたブラシで洗うと早いです。
ホットクックがあれば絶対便利。でも他の候補も要検討したい
ヘルシオホットクックを1週間使ってみて分かりました。
間違いなく便利です!
ここまで煮物に偏るだとか、アプリが微妙だとか文句も言ったけど、結局あれば使うし、あれば便利。
もし何かのお祝いでプレゼントとして貰ったら嬉しいし、週1~2回は活用できそうです。

これが3万円くらいなら僕もいますぐ買います。
でも6万円となると、購入するかちょっと迷います。
だってヘルシオホットクック以外にも選択肢があるのだから。
- 今ある炊飯器を活用する。炊飯器調理をやってみる。
- ガスコンロで使う圧力鍋(6000円くらい)を使う。
- 電気式の圧力調理機器(1.2~2万円くらい)を買う。
- 高級オーブンレンジ(10万円くらい)を買う。
その機器を買ってどのくらいの頻度で使いそうなのか?キッチンのどこに置くのか?たとえば何を作るのか?そこまで考えて考えたいですね。
でもお金に余裕があるなら、とりあえずヘルシオホットクックが買いだと思います。
僕は、高級オーブンレンジという答えに行き着きました

僕の場合は、ヘルシオホットクックの
ここがネックになって購入は見送りです。
「これがヘルシオホットクックかぁ。1週間使えて楽しかった!姉の家に返しておしまーい」
というところで話が終わる予定だったんだけど、僕は自動調理の便利さを知ってしまいました。
自動調理、なんか家事の効率化っぽくて好きなんだよねー。
でもホットクックはなぁ...。
あれ、確か高級オーブンレンジでも自動調理できるやつあったんじゃないっけ?
しかも我が家のレンジは僕が大学生の頃から12年くらい使ったからそろそろ買い替え時だよね。結構古くなってきたんだよね。
一度欲しくなったらもう進むしかありません!
何かとレンジを買い替えるための理由を並べて、自分を納得させていることに気づかないままどんどんと妄想は膨らむばかり。
いいレンジを買えば僕の日々の料理をするやる気に繋がる。
うん、料理スキルが得られるなら安いもんじゃない?
ここまでが僕がオーブンレンジを買うことに決めた経緯でした。
ホットクックを借りただけなのに思わぬ出費につながりますね(笑)
いくつもあるオーブンレンジからどうやって選ぶかについて、次回の記事でお伝えします。